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大河史上最高傑作

鎌倉2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が、12月18日に最終回を迎えたが、私はその日は仕事があり、約1週間遅れで、それを観た。。


1973年に「国盗り物語」をチラッと観たが、ちゃんと観たのは5年後の「黄金の日々」

それからは、時々の抜けとほとんどTVを観てなかった大学時代を除けば、ほとんど観て来た大河ドラマ。


今までの私のNo1は、2000年に放映された「葵三代」

どちらかと言えば、家康はあまり好きではない私ではるが、津川雅彦の家康、西田敏行の秀忠は絶品だった。

私の中では、この作品の1位が、22年間、動かなかったのだが…。


源平合戦ではなく、それも含む鎌倉時代に焦点をあてた「鎌倉殿の13人」

一般受けするかどうかは別として、私が好きな作家永井路子の原作をもとにした「草燃える」と同時代。


原作のひとつ「炎環」は、同じエピソードを一見脇役的人物達のそれぞれの視点で描かれた作品。

それぞれが自分こそが正義と思い込んでいるがゆえに、正義のヒーローなきドロドロ劇だった。


そんなドロドロをあの三谷幸喜氏がどう描くのか??

まぁ間違いなく面白くはなるだろうと思っていたが、ここまでの作品になるとは?


永井路子作品、「草燃える」と「鎌倉殿13人」の共通点は、台詞が現代のしゃべり言葉に近いこと。

ただ、ドロドロは、三谷氏風のユーモアでいい具合に薄められた感がある。


私の中では、大河史上最高傑作となった。しかも既に前半で、それが決まっているほどの圧倒的なもの。

2022年は、久々に良いドラマ作品が多かったが、「鎌倉殿の13人」は一切の中だるみがなかった。


まぁ何と言っても、それぞれのキャラや関係性が丁寧に描かれていて、

それぞれの散り際が凄まじかった。


主役の小栗旬は、前半の気のいい穏やかな青年を演じている時と後半の手を汚すダークヒーロの時では

声のトーンがまったく違うことに演技の深さを感じさせられた。


ユーモア多めからギアが入ったのは、上総広常(佐藤浩市)を粛清する場面。

頼朝役の大泉洋が、面白いだけの役者ではないことを思い知る。ドラマの中の御家人だけでなくお茶の間も凍り付いた。


義経(菅田将暉)は、少々サイコパス風に描かれていたが、斬新な戦いぶりからいくと納得感がある。

追われる身になる彼を見送る際の主人公の父、北条時政(坂東彌十郎)の言葉には、だいぶ前の回で義経が言ったセリフをしっかり回収する言葉で、人生を感じさせるものだった。


ハイライトとも言える北条政子(小池栄子)の演説、歴史上のセリフを少し言ったと思ったら、

原稿を読むのをやめて、自分の言葉で話すシーン。。

このほかにも名場面がいくつもあった。


大河ドラマ特有の無邪気に前を向いて進んで行く気のいい若者が、権力を持つ者、年老いた者の悲哀はやはりあるものの、今回の原作は、永井路子ではなく、吾妻鏡そのものとはいえ、

主役筋ともいえる頼朝、北条義時より、それにより滅ぼされる木曽義仲(青木崇高)、和田義盛(横田栄司)、畠山重忠(中川大志)

阿野全成(新納慎也)、源範頼(迫田孝也)は、みんなむしろ“いい奴”という部分は、

永井路子のテーマを受け継いでいるようにも思えるし、余計に哀しく、物語が深く感じた。

それと、好青年がダークヒーローとなっていく主役と反比例するかのように

無感情な暗殺者、善児(梶原善)が人の心を取り戻していく対比も面白かった。



で、「草燃える」と同じ役をやっている人と当時の年齢を比較してみると、、、左が「草燃える」右が「鎌倉殿の13人」

●北条義時…松平健(26)-小栗旬(39) ●源頼朝…石坂浩二(38)-大泉洋(49) ●北条政子…岩下志麻(38)-小池栄子(41)

●北条時政…金田龍之介(51)-坂東彌十郎(66) ●牧の方(りく)…大谷直子(29)-宮沢りえ(49) ●北条宗時…中山仁(37)-片岡愛之助(50)

●八重(茜)…松坂慶子(27)-新垣結衣(34) ●比奈(野萩)…坂口良子(24)-堀田真由(24) ●丹後局…草笛光子(46)-鈴木京香(54)

●源義経…国広富之(26)-菅田将暉(29) ●静御前…友里千賀子(22)-石橋静河(28) ●源範頼…山本寛(42)-迫田孝也(45)

●阿野全成…伊藤孝雄(42)-新納慎也(47) ●実衣(阿波の局)…真野響子(27)-宮澤エマ(33) ●安達盛長…武田鉄矢(30)-野添義弘(64)

●上総広常…小松方正(53)-佐藤浩市(61) ●梶原景時…江原真二郎(43)-中村獅童(49) ●比企能員…佐藤慶(51)-佐藤二朗(53)

●源頼家…郷ひろみ(24)-金子大地(25) ●源実朝…篠田三郎(31)-柿澤勇人(34) ●音羽(千世)…多岐川裕美(28)-加藤小夏(23)

●北条時房…森田順平(25) -瀬戸康史(34) ●大江広元…岸田森(40)-栗原英雄(57) ●三善康信…石浜朗(44)-小林隆(62)

●和田義盛…伊吹吾郎(33)-横田栄司(50) ●三浦義村…藤岡弘(33)、山本耕史(45) ●畠山重忠…森次晃嗣(36)-中川大志(24)


ざくっとはこんな感じ… お気づきになっただろうか??

「草燃える」のほうがずいぶん、ベテラン俳優というイメージだったが、当時としては今よりずいぶん若手だ。。

というか、今の人は、年齢よりも若く見えるのか??


当時、15歳で観た「草燃える」だが、大谷直子友里千賀子は、「綺麗やな…」と思ってみてましたなぁ。。

今年は、、堀田真由、加藤小夏、、「ええ嫁さんやなぁ…」と、、、私も年を取ったのか???

「草燃える」もまた観てみたいなぁ。。


しかし、「鎌倉殿の13人」、、これを超える作品は、私が生きているうちに出るだろうか??(宮本)


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